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セカンドリビングのある家

倉敷某所、目の前に田畑が広がる閑静な住宅地に建つ邸宅。
「家事導線」となる横の空間と「生活導線」となる縦の空間の立体的な繋がりを熟考し、日々繰り返される日常がより一体的でスムーズになるよう設計に落し込みました。
敷地は南東に45度振った角地で、西日がまともに当たる立地。

この邸宅を設計するにあたり重要なのは冬よりも「夏」と捉えパッシブデザインの検討を行いました。

夏の暮らしをいかに快適に出来るかを考え抜いた1邸です。

 
 

外観
水平と垂直の直線のみで構成されたファザード。

個性的なデザインが程好く引き立つよう、ホワイトとブラウンのバイカラーでシンプルに仕上げました。

一際目を引くガラス張りの「セカンドリビングは」1階のLDKと2階の寝室の中間に位置し、就寝前には星空を見上げて一日の疲れを癒したり、珈琲を片手に遠くの景色を眺めながらゆったりと休日の朝をスタートしたりと贅沢な時間が流れる特別なスペース。

 
 

パッシブウォール
ウインドキャッチャー
建物から離れた位置に建つ「パッシブウォール」。

これは直接外壁に西日を当てないように設けています。

夏の室温上昇の要因の1つに外壁からの熱の流入があります。

つまり、出来るだけ西日が外壁に当たらなければ少しでも室温の上昇を抑制することが出来るのです。

また、外壁とパッシブウォールの間に日陰を創ることで風の流れを生み、外壁に取り付けられた窓(ウインドキャッチャー)でその風を捕まえ室内に導くことも可能です。

 
 

外観
北西からの外観。

夏に窓から入る日射を出来るだけ抑えるため、北西面と北東面の窓は小さく設計。

道路から建物までの距離をしっかりと取り敢えてカーポートを置かないことで、近隣から見える風景を明るく上質なものにすることが出来ます。

シンボルツリーにはウワミズザクラを。

 
 

アイランドキッチン
ダイニングテーブルと一体になったアイランドキッチン。

ここを中心に洗面室・脱衣室から物干しスペースに続く勝手口までの家事導線を直線的に配置。

奥様の家事移動のストレスを軽減した、まさに“家事ラク導線”です。

食器棚や冷蔵庫、パントリーは扉を閉めれば何も見えなくなるので突然の来客も安心です。

全体的な配色も背面収納扉のブラックと床や天井の無垢材とのバランスを考えアイランドキッチンにはホワイトをチョイス。

それぞれがさりげなく調和し落ち着いた空間を創り出します。

 
 

リビング全景
リビング全景。

同じ平面上にあるキッチンやダイニングとの空間を視覚的に明確にするため天井は少しだけ高めに。

正面の壁に設置した縦長の窓がウインドキャッチャーとなり、パッシブウォールの内側を通る「風」を導き入れることが出来ます。

手前に見える鉄骨階段を上がると2階床レベルより低い位置に設定したセカンドリビングに通じます。

 
 

セカンドリビング
LDKと2階寝室の中間に位置する「セカンドリビング」。

冬には全面ガラス張りの窓からしっかりと太陽のエネルギーを取り込みます。

取り込んだ暖かなエネルギーを逃がさない様にガラス全面にハニカムスクリーンを設置。

セカンドリビングからは眼下に広がる田園風景や遠くを走る新幹線を一望でき、窓の外を眺める度にすっと心を落ち着かせてくれる、そんな贅沢な空間です。

休日には珈琲を飲みながらゆったりと過ごしたり、たまにはお酒を飲みながら星空を眺めたりと住まい手の想いに合わせて色んな景色を演出してくれます。

 
 

階段スペースの吹き抜け
階段スペースの吹抜けと、床を低く設定したセカンドリビングとの高低差を利用しLDKに暖かな日差しを導きます。

また、リビングのソファーに腰を掛けるとその高低差を利用して空を眺めることができるのも大きな魅力。

住まい手が四季折々の景色を見せてくれる「空と繋がる」心地いい場所なのです。

 
 

タタミコーナー
セカンドリビングの直下に位置するのは3畳の「タタミコーナー」。

天井高さを2m10㎝と限界まで低く設定しています。

通常座って使用することの多いタタミコーナーで配慮したいのはこの天井の高さ。

立った時ではなく座った時にどう感じるかが落ち着ける空間か否かに大きく影響します。

たった3畳ですが「ずっと座っていたい…。」そんな風に想える場所になるのです。

 
 

玄関ホールとシューズクローク
玄関ホールとシューズクローク。

玄関ホールはお客様の導線、シューズクロークは家族の導線と切り分けました。

玄関ホールには観葉植物やお好きなアートを飾りゲストをお出迎え。

シューズクロークには大容量の収納棚を設置し、靴やコート、普段使いの日用品などもしっかり整理できます。

玄関ホールとシューズクロークの境の壁の上部にはスリットを設け、暖冷房をしない室間の温度差が小さくなる工夫も。

シューズクロークの奥には見えるのはオリジナルの造作洗面台。

 
 

趣味スペース
キッチンの一角に備えたhobby space(趣味スペース)。

献立を考えたり家計簿を付けるだけではなく、読書や勉強、PCでblogを書いたり調べ物をしたりと大好きな趣味に没頭できる充実した空間。

家事導線上に位置するため、家事の合間でも無駄なく時間を使えます。

他所の窓と組み合わせてhobby spaceの窓を開けると優しい風が流れます。

 
 

天窓
2階廊下上部に設けた「天窓」は部屋に囲まれて暗くなりがちな廊下を明るく照らしてくれます。

また「開閉可能な天窓」は夏に開けると風が無くても室内にこもった熱を外に吸い出してくれる優れもの。

1階LDKからセカンドリビングを通過し天窓を通り屋外へ熱を放出、「排熱」もまた設計の段階でデザインします。

 
 

造作洗面化粧台
オリジナルの造作洗面化粧台。

シューズクロークから直接洗面室を通りキッチンに出られる配置に。

弊社では「洗面室」と「脱衣室」は分けて考えます。

なぜなら脱衣室を使用中でも洗面台が使えるから。

あるいは来客者が洗面台を使用する時も洗濯機や洗濯物などの「生活感」を見せないため。

工夫ひとつで暮らしはもっと快適になります。

 
 

脱衣室
独立した脱衣室はシンプルに。

洗濯機の横には可動棚を設置。

タオルや着替え、洗剤や石鹸のストックまでしっかり収納可能です。

壁は漆喰で仕上げられており消臭効果が得られます。

湿気の排出も考慮し高窓も設置しています。

 
 

トイレ
トイレの壁も脱衣室と同様に漆喰塗りで仕上げました。

落ち着いた空間になるよう至ってシンプルに。

造作カウンターの奥にはトイレットペーパーポケットを製作。

デザインの違うブルーのモザイクタイルをアクセントカラーにし造作洗面台と併せて統一感を。

玄関
趣味スペース
造作洗面化粧台






 

夜外観

 
 

・構  造:SE構法 2階建て ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き サイディング仕上げ

・1階床面積:63.76㎡(19.28坪)

・2階床面積:48.84㎡(14.77坪)

・延床面積:112.60㎡(34.05坪)

・UA値:0.52W/㎡K

・Q値:1.54W/㎡K

・ηAc値:1.1

・ηAh値:2.7

・μ値:0.028

・C値:1.00㎠/㎡

・耐震性能:耐震等級3(最高等級)

・耐風性能:耐風等級2(最高等級)

・認定長期優良住宅

※躯体・基礎 構造計算済み

 
 

こちらの邸宅は弊社の考える「心地良く快適な暮らし」を体現するためのコンセプトモデルとして2017年に完成した期間限定モデルハウスです。

2018年には当初ご体感くださり実際に心地良さや弊社の考えに共感し下さったお客様にご購入いただき、大切に暮らして下さっています。

一部の大手ハウスメーカーさんの全館空調と床暖房を搭載したいわゆる「高性能住宅」と違い、冬の暖かな陽射しや夏の夕方の涼しい風を肌で感じ四季折々の心地良さを体感しながら暮らす事のできる住まい。

お客様の「28℃がこんなに涼しいとは思わなかった。」という言葉がとても印象的でした。

それを可能にしてくれるのが「パッシブデザイン」という設計手法です。

窓の高さや配置を検討し、陽射しの入り方や風の道をデザインしています。

冬に暖かくなった室温や夏涼しくなった室温をいかに逃がさないようにするかをデザインしています。

夏の暑い外気や直射日光がいかに室内に入らないようにするかをデザインしています。

日中どこに居ても照明を付ける必要なく程よく明るい空間をデザインしています。

まさに住まう場所を考慮した、この土地だけの「最適解」がここにあります。