大切なこと
SE構法とは?
SE構法とは、地震国日本を安全・安心に暮らしていくために阪神・淡路大震災を機に開発された耐震構法です。
木造住宅にラーメン構造を取り入れ、柱と梁を鉄骨造のように剛接合することで揺るぎない強度の骨組みを生み出し、安全に利用できるようにした構法です。
耐震性と設計の自由度が極めて高いSE構法を使えば、高い安全性を確保したまま、柱や間仕切り壁の少ない、開放的な空間を実現することが出来ます。
強靭な骨組みと自由に編集できる空間は、現在から将来へと快適が続いていく家づくりの基本です。
SE構法のメリット
確かな安全性
確かな安全性
SE構法の建物は全て、構造設計のプロが構造計算をしています。
実験等で検証したデータをもとに、立体解析構造プログラムを用いて、安全性を検証しています。
また在来工法と違い、通し柱や横架材への欠き込み(断面欠損)が少ないため材料強度を損なわないのも大きな特徴です。
設計の自由
設計の自由
柱と梁の接合部や、柱と基礎との接合部に使用するSE金物により、大きな耐力強度を持つことが出来るため、一般的に必要とされる“柱や壁”を在来工法よりずっと少なく設計しても耐震等級3を確保することが出来ます。これにより最大9m幅の“柱の無い空間”を創り出すことも可能になります。
例えば、「柱の無い3台並列ビルトインガレージ」や「大空間のLDK」「壁一面窓」といった在来工法の木造住宅では不可能なプランも可能にしています。
これだけ大胆な構造を、耐震性の裏付けをもって実現できることから、SE構法ならではの自由な空間が生まれます。
狭小3階建てから大型店舗まで、その可能性は木造の限界を超えて広がります。
変えられる家
変えられる家
もともと耐震性能を確保した大空間であれば、その中を仕切って小さな部屋を作っても、作った壁を取り払っても、耐震性を損ねることはないので未来のライフスタイルの変化に合わせて間取りも自由に変えられるようになります。
スケルトン&インフィルにしよう
スケルトン(躯体や基礎、外壁などの構造部分)と、インフィル(内装や設備、仕切り壁など)を分けた建築手法です。
最大のメリットは、リフォームやリノベーションをするときに「大胆な間取りの変更」が可能になることです。
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必要な耐力壁(ミント色)以外は、すべて自由に外すことも入れることも可能な壁
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インフィル 仕切り壁・設備・内装仕上などライフスタイルを決める部分
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スケルトン 構造・基礎・外壁・屋根など家の強さ、耐久性などの基本性能を決める部分
ライフスタイルに合わせて住まいも変化できれば、50年先もストレスなく快適に暮らすことができます。
こんな人におすすめ
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本好きの方
大量の本を収納する本棚の重量は、想像以上に建物への負担になります。 あらかじめ構造計算を行うSE構法なら、壁面全体を本棚にすることだって可能です。
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海の近くで暮らしたい方
構造の安全性を担う“SE金物”は、100.8年分の塩害負荷実験を耐え抜いた代物。潮風の吹く海の近くでも安心。大きな窓も負担なく取り付けられ、大好きなロケーションも暮らしの一部に。
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トレーニングマシーンを置きたい方
耐震等級3を確保しながら柱や壁を少なく計画でき大空間を確保。
様々なトレーニングマシーンを設置して、家族だけのプライベートジムなんていかがでしょう。
安全に対する責務
1995年に発生した阪神淡路大震災のニュースを目にした時の衝撃は今でも忘れません。
木造住宅の倒壊が大きく報道されたのもこの時です。
その後の調査で、神戸市内で亡くなった方の83.3%が建物の倒壊や家具の転倒によって命を落としたことが分かったんです。
次に多かった死亡原因は火災で12.2%。しかし、この火災をさらに調べてみると、そのほとんどが家の倒壊が原因で起こったり、延焼しやすくなったりし、さらに家の倒壊によって避難できなかったことが、尊い命を奪った理由であることが判明しました。
“家族を守ってくれるはずの家が、安心できるはずの家が凶器になる”
この事実を知ったとき、私たち家創りに携わる者の使命は家族の安心と子供達の未来を守ることだと思ったんです。
のちに被災された方々の手記を読ませていただいた時、それは確信に変わりました。
今日までの日本の2階建て以下の木造住宅は、建築士が設計したものであれば「特例」で建築確認の審査を省略されてきました。
壁量の確保(壁量計算)、壁量バランス(4分割法)、継手・仕口の選択(N値計算法)といった簡易な構造の検討方法はあるものの、その「特例」によって建築確認申請時に構造計算書はもちろん壁量計算書などの構造関係の資料の提出も義務付けられていない事で、まともに構造の検討がされなまま建築されているケースもあるのです。
また、2016年に発生した熊本地震では、現行の新耐震基準が導入された2000年以降に建てられた比較的新しい住宅でも、倒壊・全壊の被害が目立ったという調査結果も報告されています。
過去に大きな震災が起こるたびに改正されてきた建築基準法ですが、今まで手を付けられなかった「特例」についても大幅に見直され2025年4月からは建築確認申請時の審査対象となることで、もしもの時にも避難所に行かず住まい続けることが出来る住まいが一棟でも増える事を切に願います。
確かな耐震性の確保は、安全に対する私たち作り手の大きな責務です。
SE構法の実績
○新潟中越地震 2004年 マグニチュード6.8(直下型):全半壊した家は「0」
○東日本大震災 2011年 マグニチュード9.0:全半壊した家は「0」
○熊本地震 2016年 マグニチュード7.3:全半壊した家は「0」
○北海道地震 2018年 マグニチュード6.7:全半壊した家は「0」(胆振東部地震)
○能登半島地震 2024年 マグニチュード7.6:全半壊した家は「0」
家族を守り・安心できるはずの家が凶器とならないために、最強の木構造であるSE構法の住まいをお届けしていきます。
最強の木構造、SE構法についてはこちら
SE構法との出会い
何もなくては始まらないと思い、2007年に建築士資格を取得。
そして、自社としてどんな家創りをするべきか、何を基準とするべきかを考える事になります。その時に頭に浮かんだのが、1995年に発生した阪神淡路大震災でした。
『家族と離れ離れになる事が無いよう、家は守ってくれる場所でなければ…。』
その思いから、“強靭な家”を創ることが作り手の責任だと考えました。
また、家族を包み込むような、あるいはランニングコストの面も含めた“優しさ”も盛り込みたいと思い、当時の経営理念の1つに『私たちは笑顔が集まる強くて優しい住まいを創り続けます。』と掲げることにしました。
しかし、掲げてはみたものの、“強さ”や“優しさ”をどう具現化するか、当たり前にやっていては他社との差別化にもならず、また特別強靭な家創りとは決して言えないなど、いろいろと模索する日々が続きます。
2012年のある日、建材屋さんの展示会の案内がきました。何となくお付き合いのつもりで出向いたその会場で衝撃を受けたのです。一目で『これだ!!』と感じました。
そこで開催されていたのは、SE構法の開発元である(株)NCNの田鎖社長と構造建築家の播 繁氏のパネルディスカッションでした。
一般的な木造住宅は特性上、柱や耐力壁(家を支える大切な壁)が一定以上必ず必要になりましたが、SE構法は強靭な構造であるため、その耐力壁を極限まで減らすことが出来るのです。
つまり、柱や壁を少なく設計できる上に、一般的な木造住宅より格段に強い。
こうして導かれるように、私が求めていた強靭さに加えて、バリアブル(変えられる)な空間まで叶えてくれる最強の木造構造「耐震構法 SE構法」に出会えたのです。