小さな吹抜けのある家
ご実家の隣へ新築された、28.5坪とコンパクトながらも存在感のあるお住まい。
南側に建物が隣接しているため採光の難しい立地でしたが、小さな吹抜けを設けることで明るいリビングを実現しました。
弊社にて設計・監理を行い、ご主人のお友達の工務店様に施工していただきました。
緩勾配・片流れ屋根のモダンなフォルムですが、焼き板調の外壁を採用することで和風建築のご実家ともバランスがとれています。
建築コストやお掃除面を考慮してバルコニーは設けず、中連窓へ布団干しバーを設置しました。
ブラックを基調としたシックな外観ですが、玄関まわりはホワイト×木目のドアで明るく演出。
道路へ向いた東面には大きな窓を設けず、しっかりとプライバシーが守られる計画になっています。
アクセントクロスやソファはグレーでコーディネート。
天井に高低差をつけることで、リビングに開放感が生まれます。
ソファやテーブルなどの家具もご希望に合わせ、弊社にて提案させていただきました。
自動で洗えるレンジフードで、日々のお手入れもラクラク。
構造上必要な耐力壁には、筋交いを避けた位置へ明かり取りの開口を設けました。
少しの工夫で、より明るく快適なキッチンに。
キッチン横に取り付けたコンセントは、ホットプレートなどの利用時にも大活躍。
シンプルな三角形のペンダントライトが、空間のアクセントに。
小さいながら、冬の日射取得にも効果を発揮してくれます。
室内をホワイトでまとめたことで、直射日光の当たりにくい場所へもしっかり導光してくれます。
また、南面する全ての窓にハニカムスクリーンを設置し、温まった冬の暖気が逃げるのを防ぎます。
ひな段階段とスチール手摺の組み合わせで、階段下のスペースを活用しながら、デザインもすっきりと仕上げました。
親板を見せない仕様の階段で、よりシンプル×モダンな印象に。
構造上必要な柱は化粧柱としてデザインし、濃いブラウンに塗装しました。
視線を遮らない形状が、空間を広く見せてくれます。
天井に近い位置のハイサイド窓には、大きな開口でなくても室内を明るくする効果と、温度差換気によって夏の熱ごもりを解消する効果があります。
トイレへ採用したエメラルドグリーンのアクセントクロスも爽やかな印象で、清潔感があり好印象。
LDKやホールなど、共用スペースにも収納をしっかり確保し、使うところに使うものを仕舞えるように計画しました。
内部にはそれぞれ可動棚を設置したので、暮らしに合わせて使い方を変えることも出来ます。
ベースカラーでシンプルにまとめ、どんなインテリアとも馴染むように計画しました。
収納にはあえて扉を設置せず、空間を広く使えるように。
将来的にはロールスクリーンを設置して収納物を隠すこともできます。
ウォークインクローゼットへ直結しているので身支度の動線も良く、寝室スペースを小さくしてもすっきりと暮らせます。
また、ウォークインクローゼット内の中連窓へ布団干しバーを設置しているので、布団干しの動線も良く、家事の負担を軽減できます。
ハンガーパイプ下へも棚を設置することで、同じスペースでより多くのものを収納できるよう工夫しました。
ホワイトの面積を増やすことで、限られたスペースでも広く見える効果があります。
また、細部の納まりに拘ることで、モダンな印象を底上げしてくれています。
濃紺のモザイクタイルで仕上げた壁面は、シンプルな居住空間のアクセントにもなっています。
洗面台にはメンテナンス性を考慮し、取外し可能な棚を設置しています。
木目調の棚と組み合わせて、カフェのような雰囲気にコーディネートしました。
カウンターや大きな鏡などは設置せず、お手入れをラクに。
必要なものとそうでないものの仕分けをしっかりしておくことが、暮らしやすい住まいづくりには大切です。
タンクレストイレはグレーカラーをチョイス。
シックな洗面台ともバランスの良い、落ち着いた印象の空間に。
お施主様の選ばれたアイアンのペーパーホルダーがアクセントになっています。
・構 造:在来構法 2階建て ガルバリウム鋼板縦ハゼ葺き サイディング仕上げ
・1階床面積:48.23㎡(14.58坪)
・2階床面積:45.95㎡(13.89坪)
・延床面積:94.18㎡(28.48坪)
・UA値:0.47W/㎡K
・Q値:1.86W/㎡K
・ηAc値:0.9
・ηAh値:1.5
・μ値:0.024
・C値:0.45㎠/㎡
・耐震性能:耐震等級3(最高等級)
・耐風性能:耐風等級2(最高等級)
・認定長期優良住宅
※躯体・基礎 構造計算済み
※施工:浅野工業株式会社
※設計監理:株式会社ネクサスアーキテクト
市街化調整区域に建つこちらの邸宅。
ご主人のご実家の隣に土地を分筆するかたちで計画がスタートしました。
ご結婚された後コーポ住まいだった事もあり「暖かく暮らせる家」が奥様の一番のご要望でした。
真南に面して入母屋のご実家が隣接した立地で、冬に南面の窓にしっかり陽が当たるのは12:00頃からおおよそ3時間程度。
太陽の陽(日射熱)で室温を上げるのは困難な条件なので可能な限り陽を取り込みながら「暖房した室内の熱を逃がさない」事と、夏に太陽の熱(日射)を出来るだけ入れないという事に重点を置き温熱計画を進めました。
敷地の形状や向き、周辺状況などを読み解き、限られた条件下での「最適解」を導き出すことが快適な住まいづくりで一番重要な作業だと私たちは考えています。
ご主人のお友達である工務店の社長さんが弊社代表の友人でもあったことから、弊社がパッシブデザインを用いた住宅の温熱環境作りに注力している事を知っていた社長さんがお声掛け下さり実現した家づくり。
先日も施主様から「とても快適に過ごしています!」とのコメントを頂き、嬉しい限りです。
弊社としても新しい取り組みとしてとても貴重な機会を頂いたプロジェクトとなりました。