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2018.05.14 / 中藤 貴雄 血が騒ぐ・・!? 其の弐

LIXILショールームを訪れた翌日は、一度行ってみたいと思いながらなかなか行けなかった『竹中大工道具館』へ。
 
今の家づくりではほぼ見る機会がなくなってしまった手道具や木組み、”仕口(しぐち)”と呼ばれる木を繋ぐ時の合わせ目などが詳しく展示・紹介されています。
展示を通して、昔の大工の技術や想い、棟梁という「トータルプロデューサー」としての立場や覚悟を感じとることが出来る貴重な施設なんです(^^)
竹中大工道具館

 

私が大工を始めた29年前にはまだまだ使っていた道具や、仕口を手加工する技術を目にしながら、妙にワクワクドキドキ、背筋にゾワゾワっとするような感覚を覚えました♫
 
まさに『血が騒いでる!?』って感じ!!

知らないうちに身体の奥に浸み込んだ”職人の血”を、改めて気付かせてくれた施設でした(^-^)

仕口

 

仕口2
仕口3
仕口(しぐち)とは、2つ以上の部材をL字型など別方向に継ぐ方法で伝統的な日本家屋に使われてきた手法のこと。

 

 

世界遺産に登録されている「法隆寺」の建築に携わった”棟梁の言葉”に感銘を受けたので、いくつかご紹介します。
 

道具は手の延長である
 
大工というのは木を刻む専門家。
自分の心のままに道具が切れねばならん。
道具と人間は別に考えてはいかん。
道具は人間がものをつくりだす器や。
自分の手先、爪の先と思え。
適材適所
 
山の中腹以上で強く育った木は構造材に、建物の柱や梁に使え。
谷ですくすくと育った木は造作材に、長押や連子、建具などに使え。
適した場所に用いれば木は長持ちする。
木を買わず、山を買え
 
一つの山の木をもって一つのお堂をつくれ。
木曽の木、吉野の木、四国の木をまぜずに、木を自然の生きたままに用いよ。
木の癖を見抜け。
右にまがり左にまがり。
お互いに押し合いするように組むべし。
棟梁の仕事
 
仕事の本当の精神を伝えることで、皆、心のなかに完成の形が描ける。
命令されなくても仕事の段取りをする。
とにかく人を信頼して任せる。
それが棟梁の仕事やと思う。
 

 

いかがでしょうか?
私はこれが大工の醍醐味であり、本質だと思っています。
今後もなかなかこういった仕事と出会う機会は少ないかもしれませんが、大工としての気概や責任なども含めて後世に伝えていけたら・・と思っています(^-^)

 

最後に、面白い展示があったのでご紹介しますね♪
 
『一升瓶に矢』
 
何とも不思議な作品です。
銘酒!職人の遊び心。
矢は途中で継いでいません。
瓶の栓も抜いておらず、ちゃんとお酒が残っています。
どのようにして矢を通したのでしょうか?
ぜひ考えてみてください(^^)
 
答えはこちら♪

一升瓶に矢