2022.11.15 / 中藤 貴雄 冬暖かく快適に暮らせるお家の作り方。 おうちコラム vol.58
『冬、暖かく快適に暮らせる家とはどんな家?』
そう聞かれたら皆さんは何と答えますか?
きっと、
『そりゃ断熱性が高い家だよ』
最近ではそう答える方も多くなったんではないでしょうか^_^
断熱性を高めて熱を逃げにくくする。
はい、正解です!
と言いたいところですが、実はそれだけではいささか不十分なんです(^^)
冬暖かい家は断熱性を高めれば実現しますが、「快適な」となると少し話は変わってきます。
お家の中で熱が大きく移動する所、それは『窓』です。
つまり断熱性を高めるためには、高性能な窓を採用し可能な限りその窓を小さくする。
某ハウスメーカーのテレビCMでも流れているように、これが一番簡単です^ ^
ただそうなると、「明るさ」や「眺望」といった別の快適要素まで削ぎ落とされてしまいます。
そこで逆の発想を(^^)
熱の移動が大きい窓だからこそキチンと計画して配置すれば、「明るさ」や「眺望」はもちろん、しっかりと太陽の熱まで取り込む事が可能です。
窓からしっかりと太陽の熱を取り込むと、必然的に室温が上がります。
例えば、冬に暖房していない(無暖房)部屋の温度が10℃だとします。
そこに太陽の熱を取り込む事で部屋の温度が15℃まで上昇したとしたら…。
前回おうちコラムでお伝えした冬の快適温度23℃にするためには、前者だと13℃上げるためのエネルギーが必要なのに対し、後者だと8℃分のエネルギーで済みます。
つまり、キチンと計画して窓を配置すれば明るさや眺望もしっかりと確保しながら室温を上げ、さらに省エネにも繋がるという訳です。
ただし、『キチンと計画して配置する』というのが大前提。
やたらめったら行ってしまうと逆効果になってしまうので注意が必要です(–;)
また、いくつかの「間取りプラン」の中から好みの間取りを選び、建てたい土地に置くだけといった提案方法を採用している住宅会社も多くありますが、立地や土地の条件に関係なく間取りのみを優先してしまうと、大きな窓があるにもかかわらず暗くて寒い家になってしまう可能性も…。
「快適な暮らし」とは、その言葉を紐解いていくと見えてきます。
もちろん「快適」の基準も人それぞれ。
自分たちに合った“最適解”を導き出ししっかりと読み解く事が、冬暖かく快適に暮らせるお家を作るためにはとても重要なのです(^^)