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ピアノと過ごす田園の家

周囲を広大な田園に囲まれ、初夏から秋にかけて稲の緑と青い空に包まれる美しい立地に佇む邸宅。
そんな風景に溶け込むようデザインされた外観に、ご家族のライフスタイルを最優先にしながらも出来るかぎり空間を区切らず、それぞれの気配を感じられる空間設定と豊富な自然の恩恵を受けられるよう配慮したパッシブZEHの住まいが完成しました。

 

 


南からの外観。

田園風景にすっと馴染み映えるよう、外観の仕上には「素焼き」の杉焼き板を採用。
佇まいが重くなり過ぎないように屋根勾配は緩めに抑え平板瓦葺きとしています。

窓には田園に吹く涼しい風を室内でしっかり感じられるよう、建物周辺の風を捕まえて室内に取り込むことのできる縦スベリ窓(通称:ウインドキャッチャー)を随所に採用し、中間期に涼を得たり夏季の熱籠りを解消できるよう計画的に配置。
実用的でありながら、単調になりがちな外観をスタイリッシュに印象付けてくれます。

 


LDK全景。
白いグランドピアノが目を引くLDK。
奥様が小さいころにお母様からプレゼントされた大切なグランドピアノを新居にお迎えするのも今回のプランニングで大切な目的の一つ。
吹抜の下に設置することにより吹抜上部に配した集熱窓から入射した光の反射に程よく照らされ存在感をなお一層増します。
またグランドピアノ周辺に大きな窓を配してないため、直射日光や紫外線によるピアノへの影響も軽減。
近い将来、思い出の大切なグランドピアノに奥様と娘さんで並んで演奏する日が待ち遠しくなります。
トイレと脱衣室、物入以外の壁と天井は調湿と消臭効果の高い珪藻土仕上としています。

 


壁付配置とした幅3.5メートルのシステムキッチン。
景色を見ながら調理を楽しめるようピクチャーウインドウも配置しました。
足元にはタイルをあしらい、キッチンの水跳ね対策はもちろん、キッチンとダイニングの空間を視覚的に分ける効果も。
また、調理動線上にはパントリーを、その隣にはリビング収納を設けることで移動距離を短くし利便性も向上します。

 


クールグレーのハイドアと隣接するテレビウォールは、素材感が際立つよう敢えて色味を揃えてコーディネート。
中央に見える洗面室の入口には熱の移動を妨げないよう扉や下り壁を設けず天井までの開口とし、ハイドアのラインと揃えることで空間を整えることが出来ます。
LDKのフローリング床と洗面室のタイル床の切替部分には真鍮の見切りを納め小さなアクセントに。

 


造作の洗面化粧台には深さ20cmの深型洗面ボウルを採用しました。
簡単な余洗いなどもできるので、特に小さなお子さんが居るご家庭には嬉しい設備です。
収納付き三面鏡はカウンター幅と同じ横幅120cmとし、忙しい朝でも2人並んで使えるよう配慮。
水跳ねの気になる足元の床にはキッチンと同じタイルをあしらい統一感を。

 


脱衣室には造作収納棚を設置。
事前に収納するケース等を決めて、それに合わせたサイズで収納棚を作成することでぴったりとフィットさせることができます。
最近では『設計の段階でネクサスさんが決めてくれたケースを買います!』と言って下さるお客様も居られるくらい。
脱衣室の壁と天井は殺菌と防カビ効果の高い漆喰を採用。

 


真鍮を施したペンダントライトとペーパーホルダー。
部屋全体をシンプルにすることでアクセントがしっかり引き立ちます。
住まい手の個性や好みのアイテムをセンス良く取り入れるにはこういった方法もお勧めです。
便器奥にあるカウンター下は収納として利用できます。

 


キッチン横には大容量のパントリーとリビング収納を完備。
冷蔵庫と家電収納は生活感が見えにくくなるようパントリー内に配置しました。
リビング収納には奥行30cmの可動棚、計15段を壁面2面に設けており、書類や備品などを用途ごとにたっぷり収納することができます。
生活の中心となるLDKに集約することで更に使い勝手も向上します。

 


玄関奧にあるシューズクロークには汚れに強く清掃性の良い樹脂製の可動棚を採用しています。
また、靴以外の日用品や備品などをストックするための木製可動棚も設置しているので用途に分けて収納可能です。
ベビーカーやゴルフバッグなども置けるよう木製可動棚は少し高めに取り付けてありますが、ライフステージが変化し不要になれば簡単に可動棚を増設できるよう配慮し施工しています。

 


鉄骨階段はネクサスアーキテクトのオリジナルデザインを採用。
しっかりと存在感を放ちつつも目立ち過ぎず周囲のディテールの邪魔をしないシンプルなデザインに仕上げています。
階段下には造作のワークデスクを配置し、階段の1段目下には”ルンバ基地”を備えています。

 


2階の階段ホール奥に設けたファミリールームには横幅3.6m、高さ2.2mからなる大容量の造作書庫を完備。
窓際には長さ3mの造作デスクも配置し、在宅ワークはもちろん家族で並んで読書を楽しむことが出来るような設計に。
ファミリールームの窓からは周辺の田園風景を望むことができ、田植えの始まる5月下旬から秋口にかけては一面鮮やかな緑に包まれる光景を眺める事ができます。

 


ファミリールームの書庫の一角に設けた冷房期用の開閉式送風口。
この開閉式送風口は寝室と繋がっており、夏場に寝室のエアコンからファミリールームに冷気を送るための装置として設置。
建物自体の断熱性を高めることでこのような使い方も可能になります。
逆に、冬の天気の良い日のファミリールームは窓からの集熱だけで20℃を超えるのでほぼ暖房は不要です。

 








 

・構  造:SE構法 2階建て 釉薬平板葺き 杉焼き板仕上げ

・1階床面積:67.90㎡(20.54坪)

・2階床面積:43.88㎡(13.27坪)

・延床面積:111.78㎡(33.81坪)

・UA値:0.43W/㎡K

・Q値:1.70W/㎡K

・ηAc値:1.0

・ηAh値:1.8

・μ値:0.029

・C値:0.29㎠/㎡

・耐震性能:耐震等級3(最高等級)

・耐風性能:耐風等級2(最高等級)

・認定長期優良住宅

・ZEH

・蓄電池

※躯体・基礎 構造計算済み

 

「ピアノと過ごす田園の家」は文字通り奥様の思い出のグランドピアノの音色を毎日聴きながら暮らせる場所にしてほしいという想いから名付けました。
『空間を遮る壁は出来るだけ少なくしたい』、そんなお二人の想いを受けて家全体をほぼ一体的空間に出来るよう計画。

「遮る壁を少なくする」という事は”熱的一体空間”が広くなるということで、冬の日射取得による室温上昇を目指すと南面に窓面積を今以上に多くとる必要があり、今回の立地や敷地の向きを考えるとかなり難しくなってしまいます。
しかし下がり壁の無いハイドアを採用し部屋同士を最低限仕切れるようにしておけば、気温の低い真冬は引戸を閉めて熱的一体空間を小さくすることも、比較的気温の高い真冬以外の肌寒さの残る春先や初冬には入口の引戸やドアを開けて熱的一体空間を広くすることも可能になります。

また、下がり壁の無いハイドアは、空気や熱の移動を妨げにくいという効果だけではなく、入口の引戸やドアを空けておくことで視覚的に広く見える効果もあります。

このように様々な側面から検討・検証し考えることで、視覚的にも体感的にもより快適で心地良い住まいづくりになると考えます。

初めにお会いした当初はご夫婦お二人でスタートしたお家づくりも、お引渡しの時にはご夫婦とお子様の3人家族に。
お子様の成長も近くで感じながらの家づくりは私たちにとっても楽しかったのと同時に、ご家族のために手掛ける快適なお家づくりに対する責任を改めて感じながら背筋が伸びる気持ちになりました。

お二人のアイデアが満載の「ピアノと過ごす田園の家」。
この安全で快適なお家で、すくすくと育ってくれるお子様の姿を今後も楽しみしています。