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2021.12.20 / 中藤 貴雄 安全が審査される日 おうちコラム vol.49

先月、新型コロナウイルス感染症の影響により3回の延期を余儀なくされていた友人の結婚式に出席するため沖縄へ行ってまいりました(^ ^)
 
海を望む素敵な式場に、2人に近しい親族と近しい友人だけ招かれた結婚式。
挙式当日の朝の曇り空から一転して式直前に見事な快晴になったり、私達にとっても新たな出会いがあったりと、濃く濃く過ぎた4日間(^ ^)
こちらについては改めてブログでお伝えさせていただきます(^ ^)
 
さて今回は、以前から「耐震性能」についての記事を書いてまいりましたが、木造住宅の大きな問題点であった【4号特例】が縮小される可能性が出てきました。
10月29日に行われた建築基準制度部会合同会議等で、国土交通省の社会資本整備審議会建築分科会が「【建築確認・審査の対象拡大および審査省略制度の縮小】を今後の論点の一つとする」旨を示しています。

改めて【4号特例】を簡単に説明しますと‥、木造2階建以下の一般的な住宅規模の建物を建築基準法上では「4号建築物」といい、建築士の設計によるものは建築確認申請時に構造の審査が省略される事を【4号特例】と言います。
つまり、「建築士(有資格者)が責任を持って設計しているはずなので、敢えて行政(建築主事)は審査しませんから頼みますよ」というもの。
 
弊社としても以前から「4号特例廃止」に賛同している理由は一つ。
『危険要素が多く安全な建物が必ずしも担保されないから。』
 
本来、木造住宅規模の建物の場合は建築士が設計の段階で「壁量計算」*1というもので建物の安全性を確認します。
すなわち“家づくりの全てを理解している”事が大前提。
しかし実際には無資格者である「CADオペレーター」なるスタッフが建築CADでプランを入力している事も多いのです。
そしてもう一つの危険要素がその最近の建築CADの素晴らしさ。
近年では大半の建築会社が導入している住宅設計やプラン提案にはかかせないソフトなのですが、ボタン一つで内部的に計算をしてくれたり、建築パースを立ち上げてくれたりと本当に素晴らしいものなのです。

‥が。 
法的事項の確認とプラン時に細部までミスなく入力していることはもちろんで、その上で耐力壁は構造耐力的に作用する位置に設けられているか、柱の柱頭柱脚の金物のN値計算に問題はないか、補足的修正と調整、その他各所の計算に間違いがないかの確認等々、ここまで行って、やっと建築CADを使用しながら併せて法的な安全確認ができたことになります。
これを建築士が確認をせず建築CADに丸投げしているとしたら‥∑(゚Д゚)
でもこれ、本当にある話なんです。_| ̄|○
 
また、11月20日号の業界新聞「新建ハウジング」には他にも気になる記事が。
「建物の重量化問題」として、太陽光発電設備や断熱材の使用量の増加、窓の高性能化等の影響で、壁量計算時の地震力の算定で必要な建物の重さが想定を大きく上回っている事を挙げています。
そのため地震による影響も想定を上回ることになり、4号特例を見直しを検討するきっかけになった様です。

いずれにせよ、安心安全な住まいが増えていくことは私たち作り手としても嬉しい限りです。
これにより全ての木造住宅が構造計算を実施し、きちんと安全が審査される日が来る事を切に願っています(^ ^)

 
 

*1「壁量計算」とは、重い屋根か軽い屋根か、重い壁か軽い壁か等によって導き出された“地震力”や“風圧力”に対して必要な耐力壁(重要な壁)の
長さを計算する方法です。実際には、その建物の“重さの中心”と“強さの中心”が離れ過ぎていないかを確認する「偏心率」や、耐力壁をバランスよく
配置出来ているかを確認する「4分割法」などと複合的に判断する必要があります。また、4号建築物はその他の仕様規定を遵守する必要があります。