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2020.04.17 / 中藤 貴雄 孫がボートを買う?? おうちコラム vol.39

「親が家を建て、息子が別荘を買い、孫がボートを買う」
 

これは古くからヨーロッパにある言葉で、
親が長持ちする家を建てて、
息子は家を建てる必要がないので別荘を買い、
孫は家も別荘もあるので、ボートを買って海や湖で楽しむことが出来る。
 
こうやってだんだんと人生が豊かになり、子孫が繁栄していくといった「ものの例え」です。
歴史や時代の違いであったり地震の有無などの環境的な違いを考えると単純に比較はできませんが、あくまでも例え話として(^^)
 
そんな言葉が生まれる背景として、世界の住宅の耐用年数の違いが挙げられます。
グラフの通り、日本と比較してドイツでは2.5倍、イギリスでは4.7倍も永く一度建てた家を活用しています。
逆に言うと、日本の住宅の耐用年数は圧倒的に短いのです。
 
 

世界の住宅耐用年数
新しくてキレイな建物ももちろんステキだけど古民家や昭和の建物にも魅力を感じる・・
そこに今の暮らしを掛け合わせる楽しさ!
耐用年数の長い国に暮らす人たちはそういった文化が染みついているのかもしれませんね!
byシラガ

 

1954~1970年頃の日本が凄まじい経済成長を見せた時代。地方から都市部へ集まる労働者の増加による住宅不足に併せて、住宅ローンが整備されました。
そして、多くの住宅を速やかに効率よく供給するためプレハブ化や材料・工程の簡素化などが行われ、さらなる成長に拍車をかけるように次々と住宅が建てられました。
 
余談ですが、生前父が話してくれた当時の建築現場事情は・・「仕事がありすぎて、急激に大工が増えた。」そうです。
施工技術を持たない大工の急増で、特に建売住宅の質が極端に悪化したことも短寿命で建て替える理由の一つかもしれません。
(今でも「建売」と聞くとあまり良いイメージが持たれない根本がここにあるのかもしれませんね。)
そんな社会的背景を受けて”新しい物を創ることが価値のある事”とする思考が広がり、「日本の新築文化」が定着していったようです。
 
しかしながら、昨今の人口減少や空き家問題、また地球温暖化などの世界的な環境問題が叫ばれる中、いつまでも造っては壊す・・を繰り返すことは許されません。
 

これからの住まいに要求されるのは、
・永く住み継ぐことが出来るしっかりとした基本性能(高い耐震性と断熱気密性)
・CO2排出を抑えた省エネルギーで地球環境にやさしく暮らせること

 
そして最初に紹介した言葉のように、永く住み継ぐことが出来るという事は「資産」としての価値が高いということ。
資産価値の高い家が増えれば必然的に環境保護にも寄与し、少しでも良い形で子供達の未来に地球を引き継ぐことが出来るのです。
私たちの孫がボートを手にするのも、夢ではないかもしれません。(^^)