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2024.05.05 / おうちのコラム 窓の役割とは?

今回は窓の役割について書いてみたいと思います。

 

皆さんお察しの通り、一般的には考えられる窓の役割と言えば景色を眺めたり光や風を取り込んだりといったところだと思います。

 

意外と知られていませんが、住宅の居室(LDKや寝室、子供室のような一定時間以上滞在する部屋)には採光のためにその床面積に対して1/7以上(照明を考慮することで1/10以上)の窓を設けなければならない等、採光や換気について細かなルールが決められているので、それに沿って窓の大きさや位置を決めていく必要があります。

 

そういった法的基準以外にも、実は『太陽熱を取り込む』といった役割を持たせることも出来るんです。

 

例えば冬の陽射しがしっかり当たる窓を南面に配置して熱とて室内に取り込む、これを「日射取得」と言います。

ただ窓は建物の中で、屋根や壁、床と比べて熱移動の大きい部分です。

 

また熱は高い方から低い方へ移動する性質があるにで、冬に暖房で温まった部屋の熱を屋外へ逃がしてしまったり、夏に屋外の暑い熱が涼しく冷やした室内に侵入してしまったりと、良くも悪くも「熱を移動させてしまう」窓は大きなデメリットにもなるためこの『性質』をうまく利用しないと全く逆効果になってしまう事になります。

 

そのために大切なのが「日射遮蔽(しゃへい)」の工夫。

太陽熱を取り込む「日射取得」に対し、太陽熱を遮ることを「日射遮蔽」と言います。

 

冬のために陽射しがしっかり当たる様に配置した窓は、夏にも同じように沢山陽が当たり室温を上昇させ部屋が暑くなってしまいます。

そうならないために大切になるのがこの「日射遮蔽」。

 

具体的には、夏の日差しは遮るが冬の日差しは遮らない長さの庇を設けたり、通称「洋風すだれ」と呼ばれるアウターシェードや外付けルーバーといった遮蔽部材を設けるのが有効です。

 

※アウターシェード使用前

 

 

※アウターシェード使用後

もちろん昔から日本家屋でも使用されている「葦簀(よしず)」や「すだれ」の効果も同様です。

 

このように、むやみにやたらに窓を大きくするだけだと熱の出入り口を大きくするだけで決して快適にはなりません。

これは窓の性能だけを良くしても同じ。

 

最近、大手ハウスメーカーのTVCMで、

「家そのものの性能を高めると、窓はここまで大きくできるんです!」

といった放送を目にしますが、いくら性能(UA値やC値)を良くしても窓対策が出来ていないと、冬の夜には部屋から暖まった熱が逃げ、逆に夏には熱が侵入し、性能が良ければ尚更熱が部屋に籠り地獄に…。

 

景色を眺めたり光や風を取り込むだけではなく、窓には重要な役割がたくさんあります。

 

うまく活用して、UA値やC値だけでは得られない心地よく快適な暮らしを実現しましょう。