風も音も無い、ストレスフリーで快適な住まい

倉敷市に建つ築10年の邸宅。

2018年7月の西日本豪雨災害によって被災されたお住まいで、

おおよそ1年かけてしっかり消毒・乾燥させたうえで、

敢えて外壁や屋根などの外部の仕様はそのままで行った

性能改善リノベーションです。

 

 

施主様が熱望された「光冷暖システム」を設置したお住まいです。

「光冷暖システム」とは、遠赤外線の「輻射・放射」を最大限に活用するシステム。

最大の特徴は、「乾燥しにくい」、「エアコンのように体に風を受けない」、「音がしない」。

熱くも寒くも感じない快適さで、まさに【無】なのです。

 

 

 

 

和室下座から書斎を望む。

光冷暖パネル越しに軽く仕切られた書斎はご主人のお気に入りの場所に。

休日時間を見つけてはいつもここで過ごしておられるそう。

 

 

正面に見えるのは、天井と壁を真っ白な漆喰で仕上げた空間のアクセントとして使用した「KMEW SOLIDO typeF coffee」。

セメントと火力発電所で発生する石炭灰、使用済みのコーヒー豆など、持続可能なリサイクル素材で作られていて、環境負荷も軽減します。

 

 

改修前は一般的だった和室も、使用する素材と光冷暖パネルにより洗練された空間に。

板畳に使用したフローリングは、LDKとの統一感を考えブラックチェリーをチョイス。

 

 

こちらに設置している光冷暖パネルの幅は約150センチ。

既存の建物の中に、いかに邪魔にならないように且つ効率的に設置するかがプランニング時の大きな課題でしたが、パネルのスリットによる視線の抜けと、その存在感により和室と書斎空間を軽く仕切るパーティションとして上手く機能してくれています。

 

 

鴨居や方立などの木部の見付(ライン)をあえて細くすることで、少しラフに仕上げた漆喰のテクスチャーとのバランスを整えました。

これは「刃掛け」という納め方で、重くなりがちな和空間を軽快に見せる伝統的な技術です。

 

 

下座から上座を望む。

こちらの和室の枠材・廻縁・畳寄せ・床柱には桧材を使用。

床板と床框には欅を配しています。

使用材を統一することで、経年変化による木部の色合いや漆喰の素材感が後のち風合いとしてシンプルに表現されます。

 

 

床の間。

「床板」と「床框」に使用している欅は、以前からこちらの床の間に使用されていたもの。

水にぬれて寄れ曲がった「床板」は改めて削り出し、「床框」は施主様の想い出の詰まった以前の「床柱」をリメイクして作り上げました。

白肌でシンプルな桧の床柱と、真っ白な漆喰とのコントラストが施主様の「想い」を引き立てます。

 

 

和室からダイニングを望む。

床材は和室や書斎にも使用しているブラックチェリーを。

腰板は竹の集成材を使用。

 

 

 

充分な広さと収納力を備えたキッチン。

扉の向こうには廊下を挟んで大容量の物入を備えています。

 

 

キッチンからリビングを望む。

視線の通るLDKは、お子さんと遊ぶの時間も安心。

天井と壁の漆喰と、光冷暖システムが温熱環境と空気質をクリーンに。

 

 

 

南からダイニングを望む。

竹の腰板が空間を引き締めます。

 

 

 

LDK南面の掃き出し窓にはハニカムスクリーンを採用。

家の中で窓は一番熱損失の大きい場所。、

ハニカムスクリーンは、冬の室温の維持に効果の大きい付属部材。

夏は日射遮へいにも効果を発揮します。

木造2階建て釉薬瓦葺モルタル仕上げ(築10年)

・UA値 :0.51W/㎡K

・ηAc値:1

・ηAh値:1.7

・Q値 :1.58W/㎡K

・μ値 :0.022

・C値 :1.5㎠/㎡

※南面掃き出し窓2か所:サーモスX アルゴンガス入りLow-E複層ガラス(遮蔽型)に交換

※   〃       :ハニカムスクリーン設置

※上記以外の窓:樹脂製内窓インプラス Low-E複層ガラス(遮蔽型)を設置

 

光冷暖システムの性能を発揮出来るよう、躯体も含め屋根・外壁といった既存の建物を利用しながら断熱性はもちろん、気密性をどこまで上げられるかが一番の課題でした。

また1階に関しては、構造ラインを変えることなく、光冷暖パネルをいかに普段の生活の妨げにならないように、スマートに設置出来るかもプランニングの上重要な要素でしたが、施主様に

「とても快適です!」

「書斎がとても気に入っていて、主人はいつも書斎にいますよ」

と仰っていただき、私たちも嬉しい限りです。